「うちには
特別な資産なんて
ないですよ」
そんな話を聞くことがあります。
大きな工場があるわけでもない。
特許を持っているわけでもない。
有名な商品が
あるわけでもない。
でも
会社の中を見ていくと
担当者が変わっても
同じ品質で
仕事ができている。
若手が
以前より早く
仕事を覚えている。
社長やベテランが
その場にいなくても
判断できることが増えている。
お客様から
「困ったら
まずここに聞こう」
と思ってもらえている。
こうしたものは
設備のように
目には見えません。
でも
会社がこれからも
価値を生み出していくうえで
とても大きな力になります。
人の経験は、その人だけのものではなくなっているか
ベテランしかできなかった
判断が
今では
若手にもできる。
昔の失敗が
今の仕事のやり方に
残っている。
こうして
個人の経験が
会社に残ると
それは
次の仕事でも
使える力になります。
会社に残るのは、知恵だけではない
人が育てば
任せられる仕事が増えます。
仕事の進め方が整えば
誰か一人に
確認や判断が集中しにくくなります。
経験が共有されれば
同じ失敗を
繰り返しにくくなります。
そして
そうした仕事を
積み重ねていくことで
お客様との間にも
信頼が積み上がっていきます。
人。
仕組み。
知恵。
お客様との信頼。
どれも
決算書には
その価値がそのまま
表れるわけではありません。
でも
こうしたものがある会社ほど
次の仕事を
より良く進めるための土台を
持つことができます。
見えない資産は、次の価値を生む力になる
たとえば
判断できる人が増えれば
確認を待つ時間が減ります。
仕事のやり直しが減れば
同じ時間を
別の仕事に使えます。
品質が
安定してくると
お客様からも
価格だけではない理由で
選ばれる場面が
増えていくことがあります。
現場に知恵が残っていれば
次に似た問題が起きたときも
ゼロから考え直さずに済みます。
こうして
人や組織の中に
積み上がったものが
また次の仕事で
価値を生み出す力になります。
賃上げ原資を、生み続けられる会社へ
賃上げ原資を考えるとき
まず大切になるのは
会社がどれだけの価値を
生み出せているかです。
でも、ここまで考えると
もう一歩
先まで考えられます。
その価値を
生み続けられる力そのものが
会社の中に
積み上がっているかどうか。
人が育ち
経験が
知恵や仕組みとして
残り
お客様との信頼が
積み上がる。
その力が
また
次の価値を
生み出していく。
賃上げできる会社をつくるとは
そんな力を
会社の中に
育て続けることなのだと
思います。
