研修をしても社員が変わらない理由。
人を責める前に、仕組みを見る

研修をした直後は
少し空気が変わったように
見えることがあります。

発言が増えた。
表情が明るくなった。
「これは良かった」と
感想を言ってくれる社員もいた。

でも、1週間、2週間経つと
いつもの状態に戻っている。

研修あるあるです。

経営者としては
けっこうつらいですよね。

時間も使った。
お金も使った。
期待もした。

それなのに、気づけば元通り。

「結局、何をやっても変わらないのか」

「うちの社員には
研修は向いていないのか」

そう感じてしまうのも
無理はありません。

でも、ここで少し
立ち止まって考えてほしいことがあります。

変わらないのは
社員のせいではないかもしれません。

研修が悪いわけではない

まず確認しておきたいのですが
研修そのものが
無意味なわけではありません。

・外から新しい視点を入れること

・普段と違う場で考えること

・他社の事例に触れること

研修には
それぞれの意味があります。

ただ、研修だけで
人が変わり続けるわけではありません。

これは研修の質だけの問題ではなく
研修後に変化が続くための
設計の問題です。

研修で変わること、研修だけでは届かないこと

研修の大きな役割は
まず知らなかったことを知ること。

そして、ワークや対話を通じて
普段とは違う考え方や関わり方を
一度やってみることです。

ただ、組織が本当に変わるためには
その先があります。

知る。

やってみる。

わかる。

できる。

そして、日常の中で
自然にしている。

学習の6段階を示した図。知る、やってみる、わかる、できる、しているまでの流れを表している。
学習は「知る」だけではなく、「している」まで進んで初めて現場に根づきます。

ここまで進んで初めて
研修の内容が
現場に根づいたと言えます。

研修の場でつくりやすいのは
「知る」「やってみる」の段階です。

「できる」「している」まで進むには
日常の中での振り返りや声かけ
評価との接続が必要です。

人は、一度聞いただけでは変わりません。

現場で試し
振り返り
次にどう活かすかを考え
もう一度やってみる。

この繰り返しの中で
研修の内容がようやく
日常の行動に変わっていきます。

だからこそ
研修後の1on1や振り返りは
「おまけ」ではありません。

研修を現場に根づかせるために
欠かせない構造です。

組織課題のモグラ叩きになっていないか

多くの会社で
こんなことが繰り返されます。

社員が動かない。
研修をする。
しばらくは変わった気がする。
また元に戻る。
別の対策を打つ。
同じ問題が起きる。

これは、組織課題の
モグラ叩きになっている状態です。

目の前に出てきた問題に
そのつど対応している。

でも、問題を生み出している構造には
まだ手がついていない。

・離職

・反発

・指示待ち

・研修後に元に戻る

これらはすべて
水面上に出てきた現象です。

水面下には
こうした構造が眠っていることがあります。

・何を期待されているかが
 社員に届いていない

・評価される行動が
 明確になっていない

・管理職が
 部下との対話の仕方を知らない

・振り返りの場が
 日常の中に設計されていない

・経営者の想いが
 現場の言葉になっていない

研修だけでは
この水面下の構造まで
変えきれないことがあります。

だから、研修で生まれた気づきが
日常の忙しさの中に
吸収されてしまうのです。

もう一つ
研修の前に考えておきたいことがあります。

「この研修は
どんな組織をつくるためのものなのか」

という問いです。

3年後にどんな会社でありたいのか。

その理想から逆算したとき
いま採用すべき人
育てるべき人
任せるべき役割は何か。

ここが曖昧なまま
研修だけを行うと
学びは一時的なイベントで
終わりやすくなります。

人を責める前に、仕組みを見る

こうした状況で
多くの経営者がたどりつく考えが
「人の問題だ」というものです。

あの社員の意識が低い。
管理職の能力が足りない。
やる気がない社員が
足を引っ張っている。

その見方を否定したいわけではありません。

そう感じる場面があるのも
事実だと思います。

ただ、「人が悪い」という見方をすると
解決策は
「注意する」「説得する」「入れ替える」
の方向に向かいます。

「仕組みにズレがある」という見方をすると
解決策は変わります。

・期待値を言葉にして伝える

・評価の基準を整える

・振り返りの場をつくる

・管理職が部下と対話できるようにする

・小さな成長に気づいて
 声をかける仕組みをつくる

このアプローチは
社員を責めません。

同時に
経営者の努力を否定しません。

問題が起きている構造に
静かに手を入れていく方法です。

仕組みを見ることは、社員を甘やかすことではない

仕組みを整えると聞くと
「社員に甘くしろということか」と
感じる方もいるかもしれません。

そうではありません。

・経営者が大切にしていること

・求めていること

・目指している方向

それを、社員が日常の行動として
受け取れる形に翻訳する。

それが、仕組みを整えるということです。

想いはある。

でも、現場に届く言葉と仕組みが
まだ整っていない。

多くの会社の問題は
そこにあると、私は考えています。

人が変わらないのではなく
仕組みがまだ整っていないだけかもしれない

研修が無駄だったわけではありません。

面談を重ねた時間も
管理職に話した努力も
無意味ではありませんでした。

ただ、変化が続くためには
もう一段の設計が必要なのです。

人を責める前に、仕組みを見る。

そこから
月曜日が少し待ち遠しくなる
組織づくりは始まります。

もしいま
組織のことで
少しモヤモヤしていることがあれば
まずはお話を聞かせてください。

初回相談では
いま起きていることを
一緒に言葉にしながら
どこから整えていくとよさそうかを
考えていきます。

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