
経営者の方から
こういう声を聞くことがあります。
「できあがってから
『これじゃない』となることが多くて。
毎回やり直しが発生するんです」
仕事を依頼した。
本人は取り組んで、完成させた。
でも出てきたものを見ると
「なぜこれで出してきたのか」となる。
修正を指示する。
また時間がかかる。
これが繰り返されている。
こういうとき
多くの場合こう考えてしまいます。
「確認しながら進めなかった」
「丁寧さが足りない」
「センスの問題」
本人の仕事の進め方や
注意力に
原因を探し始めます。
ただ
本人の進め方を見る前に
確認したいことがあります。
手戻りは、完成してから起きるものではない
完成してからやり直しが発生する職場では
多くの場合
手戻りが起きる構造は
仕事が進んでいる途中に
ズレを見つけられないことから
始まっている場合があります。
完成品を見て初めてズレに気づく。
これは
途中で確認できる場が
設計されていなかったことから
起きていることが多いです。
依頼するときに
「どこかで一度粗いものを見せてほしい」
「半分できたら確認しよう」
という設計があれば
ズレは途中で見つかります。
完成してから気づくのではなく
途中で修正できるようになります。
手戻りを減らすための工夫は
完成してからではなく
進んでいる途中にあります。
途中で出す完成度が見えていない
もう一つ、よく起きることがあります。
途中でどの粗さで出してよいかが
共有されていないケースです。
「できたら出して」という依頼では
受け取った側は
「できた」の基準を
自分で判断するしかありません。
粗くてよいから早く出してほしい仕事なのか。
まず方向性だけ確認したい段階なのか。
丁寧に仕上げるべき仕事なのか。
この基準が渡されていないと
受け取った側は
自分の判断で完成度を決めます。
時間をかけて丁寧に仕上げてきたのに
「そこまでやらなくていい」と言われる。
粗めに出したら
「なぜこの完成度で持ってくるのか」と言われる。
このすれ違いは
センスや丁寧さの問題ではなく
途中でどの粗さで出してよいかが
伝わっていないことから起きています。
途中で「粗く出す」ことを設計する
手戻りを減らすために
大きな仕組みは必要ありません。
依頼するときに
途中確認の場を一つ置くだけで
変わることがあります。
「まず方向性だけ見せて」
「3割くらいできたら一度持ってきて」
「完成前に粗いものを確認させて」
この一言があるかどうかで
完成してから気づくズレを
途中で修正しやすくなります。
大事なのは
「粗く出すことを許可する」ことです。
途中で出すことが
「仕事が遅い」
「準備不足」と受け取られる職場では
社員は完成まで抱え込みます。
粗い段階で出してもよい
むしろ出してほしい
という設計が言葉になっていると
途中確認が自然に起きるようになります。
完成してから評価するのではなく
途中で一緒に方向を合わせる。
その前提があると
手戻りは減らしやすくなります。
手戻りが多いのは
本人の確認不足だけの問題ではないかもしれません。
途中で粗く出せる設計と
どの粗さで出してよいかの基準が
共有されていたか。
そこから見直すことで
完成してからのやり直しは
減らしやすくなります。
いま思い浮かべている仕事を
一度振り返ってみてください。
途中で粗く出してよいことが
相手に伝わっていましたか。
グロウスリーでは
会議・仕事の進め方・育成のどこに
動きにくさが生まれているかを
現場の場面から一緒に見立てています。
うまく言葉になっていなくても
最近気になっている場面から
始めることができます。














