幹部が育たないのは、本人の資質だけの問題なのか

「あの人に任せようと思っていたのに
なかなか育たない」

そう感じている経営者に
お会いすることがあります。

本人の意欲が足りないのか。

もともと器ではなかったのか。

やっぱり人選が
間違いだったのか。

そう考えてしまう気持ちは
よくわかります。

でも私は
そう結論づける前に
確認したいことがあります。


その人に
何を期待しているかは
言葉になっていたでしょうか。

どこまで任せるのか。

どこから相談してほしいのか。

どんな役割を担う人に
なってほしいのか。

そこが曖昧なまま
「育たない」と感じているなら
本人だけの問題とは
言い切れないかもしれません。

現場で優秀な人が、幹部として動けるとは限らない

幹部候補として
名前が挙がっている人がいます。

社長から見ると
現場のこともわかっているし
人望もある。

だから
そろそろ任せたい。

でも実際には
大事な判断になると
社長に戻ってくる。

会議ではあまり発言せず
現場に戻ると
これまで通り一担当者として動いている。

社長から見ると
「なぜ幹部として動いてくれないのか」
と感じます。

でも本人から見ると
違う景色があります。

どこまで自分で決めてよいのか。

現場にどこまで強く言ってよいのか。

社長の考えを
自分の言葉として伝えてよいのか。

そこが見えないまま
社長と現場の間に
立たされていることがあります。

ここか意外と見落とされています。

現場で優秀であることと
幹部として機能することは
別の話です。

現場のエースは
目の前の仕事を確実にこなすことで
評価されてきました。

幹部に求められるのは
それだけではありません。

チーム全体が動ける状態をつくること。

経営者の考えを
現場に伝わる言葉に翻訳すること。

現場で困っていることを
経営に届く形で共有すること。

この転換は
自然には起きません。

任せたい側も、任される側も迷っている

経営者の側にも
難しさがあります。

任せたい。

でも不安がある。

本当に判断できるのか。

現場を混乱させないか。

会社の考えと違う方向に
進まないか。

そう考えると
つい口を出したくなります。

幹部候補も同じです。

任されたい。

でも
どこまで判断していいのか
わからない。

何を相談してよくて
何を自分で決めるべきなのかが
見えない。

ここが曖昧なままだと
すれ違いが起きます。

経営者は

「やっぱり任せられない」

と感じる。

幹部候補は

「結局、自分で判断してはいけないのか」

と感じる。

任せる側も
任される側も
少しずつ疲れていきます。

任せるには、期待と判断の余白が必要になる

「うちの幹部は
経営者目線がない」

そう感じる前に
一度だけ問い直してみたいのです。

経営者目線を持ってほしいなら
経営者が見ている景色を
共有する場があったでしょうか。

判断できる幹部に育てたいなら
判断する機会と
振り返る場があったでしょうか。

任せるとは
丸投げすることではありません。

期待している役割を伝えたうえで
判断の余白を渡すことです。

どこまで任せるのか。

どこから相談してほしいのか。

何を大切に判断してほしいのか。

そこが整うと
任せる側も任される側も
動きやすくなります。

幹部育成は
本人に任せるだけでは
進みません。

期待値を言葉にする。

役割を明確にする。

判断の範囲を共有する。

定期的に振り返る場をつくる。

こうした設計があって初めて
幹部候補は
自分の役割を理解しやすくなります。


自社に置き換えるなら
まずはこの問いから
考えてみてもよいと思います。

幹部候補に
何を期待しているかを
言葉にできているか。

どこまで判断してよいかが
本人に見えているか。

成長を確認する対話の場が
日常の中にあるか。


幹部が育たないのは
本人の資質だけの問題とは
限りません。

期待値が言葉になっていない。

役割が現場の延長のままになっている。

判断する機会も
振り返る場もない。

そうした構造の中で
幹部候補が動けなくなっていることがあります。

グロウスリーでは
幹部・管理職の育成を
経営者と一緒に設計するところから
支援しています。

まずは
経営者が幹部に何を期待しているのかを
一緒に言葉にするところから
始めてみませんか。

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