教えているのに、経験する場が足りていない

経営者の方から
こういう声を聞くことがあります。

「丁寧に教えているつもりなんですが
なかなか育っている感じがしなくて」

時間をかけて説明している。
わかるまで付き合っている。
質問にも答えている。

それでも
同じことを何度も聞いてくる。
現場で応用が利かない。
判断を求めると止まってしまう。

こういうとき
多くの場合こう考えます。

「教え方が足りない」
「部下のやる気や吸収力の問題」

もっと丁寧に
もっとわかりやすく教えようとします。

ただ
教え方を工夫する前に
確認したいことがあります。

「育成」を、どう定義しているか

教えているのに育たない理由は
教え方だけにあるとは限りません。

「育成=知識や技術を教えること」
と定義していると
育成として見えている行動が
「教えること」に絞られてしまいます。

でも
人が育つためには
教わることだけでは足りないことがあります。

知識として知っている。
でも、実際にやったことがない。

頭ではわかっている。
でも、現場で判断したことがない。

この状態では
知識は知識のまま止まります。

経験の中で使ってみて
うまくいったり失敗したりしながら
少しずつ自分のものになっていきます。

教えることと、経験させることは別のことです

丁寧に教えることは
育成の大切な一部です。

ただ
教えることと経験させることは
別のプロセスです。

教えている時間は十分あっても
経験させている時間が少ないと
「知っているけど動けない」状態が続きます。

経験させるといっても
いきなり丸ごと任せる
という意味ではありません。

小さな範囲で任せる。
判断する場面を一つ渡す。
失敗しても戻れる範囲で試してもらう。

そうした経験の置き方も
育成の設計です。

何を経験させているか。

どんな場面で判断させているか。

これらが設計されていないと
教えることに時間をかけても
育ちにくい状態が続きます。

「何を見てほしいか」が渡されているか

もう一つ、見落とされやすいことがあります。

経験させるだけでも
育ちにくい場合があります。

仕事を任せた。
経験はさせた。

でも
「この仕事で何を見てほしいか」
「どこで判断してほしいか」
という論点が伝えられていないと、
経験を素通りしてしまうことがあります。

ここでいう論点とは、
「この仕事で何を見てほしいか」
「どこで判断してほしいか」
という考える入口のことです。

同じ仕事をしていても
何を見るかが違うと
学びの深さが変わります。

この入口を渡すことで
経験が学習につながりやすくなります。

育成は
「教える」だけでも
「経験させる」だけでも
完結しません。

教えて、経験させて
何を見てほしいかを伝える。

この3つがつながると
育成は日常の中で
機能しやすくなります。

教えているのに育たないとき
教え方より前に考えたいのは
経験させる場と
何を見てほしいかが
設計されているかです。

いま思い浮かべている育成の場面を
一度振り返ってみてください。

「教えること」以外に
何が設計されていましたか。

グロウスリーでは
育成や任せ方、1on1、仕事の渡し方を
現場の状況に合わせて一緒に整理しています。

制度や研修の話としてまとまっていなくても
今の現場で気になっていることを
そのまま話すところから始められます。

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