経営者が社員に抱いた「見方」は、なぜ更新されにくいのか

「あの社員
やっぱり主体的に動かないんですよね」

そんな話を聞くことがあります。

ある場面で
「主体性がない」と感じた。

それ以来
その社員の行動を見るたびに

「やっぱりそうだ」

と思う場面が
増えていく。

でも、本当にその人は
ずっと主体的に
動いていないのでしょうか。

一度ついた見方は、なかなか変わらない

「主体性がない」と
一度感じると

その見方に合う行動が
目につきやすくなります。

指示を待っていた。

確認してから動いた。

自分から意見を言わなかった。

そんな場面を見るたびに

「やっぱり主体性がない」

という見方が
少しずつ強くなっていきます。

一方で

自分から工夫した場面。

誰かに声をかけた場面。

自分なりに考えて
動いていた場面。

そうした行動は
意外と素通りしてしまいます。

一度できた見方が
その後に拾う情報まで
変えてしまうことがあります。

同じ行動でも、本人には別の理由がある

もう一つ
考えておきたいことがあります。

経営者からすると
「受け身」に感じる行動にも

本人なりの理由が
あるかもしれません。

「勝手に動くと
怒られるかもしれない」

「一度確認してから
動いた方が安全だ」

「前に自分で判断したら
やり直しになった」

そう考えて
確認していることもあります。

こちらには
「主体性がない」と感じられても

本人は本人なりに
その場で安全な行動を
選んでいるのかもしれません。

その理由を知らないまま

「この人は主体性がない」

という見方だけが残ると
関わり方も変わらなくなります。

任せる範囲を狭くする。

先回りして指示を出す。

意見を聞く前に
こちらから答えを伝える。

すると、社員もますます
自分から動きにくくなります。

その姿を見て

「やっぱり主体性がない」

という見方が
さらに強くなっていく。

そんな循環が
起きることもあります。

見方を更新するには、違う情報を取りにいく

「あの人は主体性がない」

そう感じたときこそ
少し違う問いを
持ってみてください。

主体的に動いた場面は
本当に一度もなかったか。

動かなかったとしたら
何が止めていたのか。

自分の関わり方が
動きにくくしていなかったか。

1on1や面談でも

「どうして動かなかったの?」

と聞く前に

「最近、自分で工夫したことはある?」

「自分で判断してみた場面はあった?」

と聞いてみる。

すると
これまで知らなかった行動や

本人が考えていたことが
出てくることがあります。

人には
自分がすでに持っている見方に合う情報を
集めやすい傾向があります。

これを
「確証バイアス」と呼びます。

大切なのは
この傾向をなくすことではありません。

「自分もそういう見方を
しているかもしれない」

と気づいて

違う情報を
取りにいけることです。

「あの社員はこういう人だ」

そう思ったときは

社員が変わっていないのか。

それとも
自分の見方が
変わっていないのか。

一度、問い直してみてください。

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