
経営者の方から
こういう声を聞くことがあります。
「いろんな問題があって
どこから手をつければいいのか
わからなくなることがあるんです」
問題は、常にある。
人の問題。
数字の問題。
組織の問題。
お客様との問題。
全部、大事に見える。
全部、対応しなければ
という気がする。
でも、全部に手をつけようとすると
何も変わらないまま
時間が過ぎていく。
こういうとき
こう考えるのではないでしょうか。
「もっと問題解決能力が必要だ」
「優秀なメンバーがいれば解決できる」
解く力を上げることに
目が向きます。
ただ、解く力の前に
確認したいことがあります。
問題はいつも複数ある。選ぶのは、経営者にしかできない
一つの打ち手を選ぶ場面には
問いを絞るという技術で対応できます。
でも、経営者の机の上には
そもそも「絞る前の問題」が
複数並んでいます。
離職、資金繰り、後継者
新規事業、既存社員の不満。
どれも見過ごせません。
ここで起きているのは
一つの問いを立て直す作業では
ありません。
複数ある問題の中から
「今期、この会社はここに
時間とお金を使う」と決める
優先順位づけです。
これは、誰かに
代わってもらえない仕事です。
現場のマネージャーは
自分のチームの問題を
解決できます。
専門家は
特定の領域の問題を
解決できます。
でも
「今このタイミングで
どの問題を優先して
会社の時間を使うか」を
決めることは
誰かに任せられません。
そこには
会社の歴史があります。
経営者の想いがあります。
社員との関係もあります。
お客様への約束もあります。
だからこそ
どの問題を先に引き受けるかは
経営者にしか決められないのです。
何を優先するかで、半年後の景色が変わる
同じ「離職」という言葉でも
何を優先するかで分岐します。
「今期は採用を優先する」と決めれば
半年後には新しい人が
増えている一方
既存社員の負担感は
まだ残っているかもしれません。
「今期は既存社員の役割の見直しを
優先する」と決めれば
半年後には離職が
落ち着いているかもしれません。
一方で
採用は後回しに
なっているかもしれません。
どちらが正解というわけでは
ありません。
ただ、何を選んだかによって
半年後・3年後に見えている景色は
確実に違います。
この分岐をつくっているのが
優先順位づけという
経営の意思決定です。
AIが答えを出せても、順番は経営者が決める
いまはAIに聞けば
離職対策の打ち手も
資金繰りの改善策も
いくつも返ってきます。
答えを探す時間は
これからますます
短くなっていきます。
でも
「今、この会社が抱えている
複数の問題のうち
どれを先に引き受けるか」
という順番だけは
情報からは出てきません。
答えを持っていることより
どの答えを今使うかを
決めること。
そこに、経営者の仕事が
残っていきます。
いま机の上に並んでいる問題を
一度書き出してみてください。
その中で
「これを今期の課題として引き受ける」
と決めているものは
どれですか。
問題が多すぎて
優先順位が見えないときは
まず、いま起きていることを
一緒に並べてみるところから始められます。
そのうえで
何を会社の課題として引き受けるのかを
一緒に整理していきます。














