「自分で考えて」が、指示待ちを増やしていないか

経営者の方から
こういう声を聞くことがあります。

「『自分で考えて』と言っているのに
すぐ答えを聞きに来るんです。
いつまでたっても指示待ちで」

「自分で考えてみて」と伝えた。

しばらくして戻ってくる。

「どうすればいいですか」

もしくは
一度自分で考えてきた。

でも出てきた答えが
的外れで
結局また最初から教えることになる。

こういうとき
多くの場合こう考えてしまいます。

「考える力が足りない」
「依存心が強い」
「指示待ちが習慣になっている」

本人の姿勢や
思考力に
原因を探し始めます。

ただ
本人の力を見る前に
確認したいことがあります。

「考えて」の前に、何が伝えられていたか

「自分で考えて」と言っても
答えを求めてくる理由は
考える力だけにあるとは限りません。

「何について・どの範囲で・何に基づいて考えるか」が
伝わっていないことが多いです。

「自分で考えて」という言葉だけでは
受け取った側には
考える枠が見えていません。

何を考えればよいのか。
どこまでの範囲で考えればよいのか。
何を根拠に判断すればよいのか。

これらが見えていないと
考え始めにくくなります。

仮に考えたとしても
依頼した側とは違う方向に
進んでしまうことがあります。

答えを求めてくるのは
依存心からではなく
「何を考えればよいかがわからない」
状態から来ていることがあります。

考えるための枠が必要です

「自分で考えて」という言葉は
相手に考えることを求めています。

でも
考えるためには枠が必要です。

必要なのは
答えを教えることではありません。

答えに向かうための
考える枠を伝えることです。

「この状況で
まず何が問題だと思うか考えてみて」

「お客様の立場から見て
どう感じるか整理してみて」

「今週中にできることと
来週以降に回すものを分けてみて」

このように
考える範囲と視点が渡されると
受け取った側は
考え始めることができます。

「考えて」だけでは広すぎます。

「〇〇について、〇〇の視点で考えて」
にするだけで
考えやすくなります。

判断材料が渡されているか

もう一つ、確認したいことがあります。

考える枠があっても
判断するための材料が伝わっていないと
考えた結果が的外れになることがあります。

「自分で考えて動いて」と言われた。

でも
会社の方針や優先順位を知らない。
過去に同じ場面でどう判断したかを知らない。
どこまでの権限があるかを知らない。

この状態では
考えても判断できないか
見当違いの方向に進むしかありません。

「考えた結果が見当違いだった」は
考える力の問題ではなく
判断に必要な材料が
渡されていなかったことから
起きていることがあります。

指示待ちに見えるのは
考える力が足りないからではないかもしれません。

何について考えるのか。
どの範囲で考えるのか。
何を材料に判断するのか。

その枠が伝えられていたか。

そこから見直すことで
「自分で考えて」が
機能しはじめます。

いま思い浮かべている場面を
一度振り返ってみてください。

「考えて」と伝える前に
考える枠と判断材料が
伝えられていましたか。

グロウスリーでは
育成や任せ方、1on1、仕事の渡し方を
現場の状況に合わせて一緒に整理しています。

制度や研修の話としてまとまっていなくても
今の現場で気になっていることを
そのまま話すところからはじめられます。

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