
経営者の方から
こういう声を聞くことがあります。
「OKRを導入して
目標を立てさせているんですが
社員がどうも安全な目標しか
立てなくて」
高い目標を立ててほしい。
でも
社員が立ててくる目標は
どれも達成できそうなものばかり。
「もっと挑戦的な目標を」と言っても
翌期もあまり変わらない。
こういうとき
こう考えるのではないでしょうか。
「社員の挑戦意欲が低い」
「目標設定の仕方を教えないといけない」
社員の姿勢や
スキルに
原因を探し始めます。
ただ
社員を見る前に
確認したいことがあります。
OKRの達成率が、評価に直結していないか
社員が安全な目標しか立てない理由は
挑戦意欲だけにあるとは限りません。
OKRの達成率が
評価や処遇に直接つながっていることで
構造的に安全な目標を選ぶ方が
合理的になっていることがあります。
OKRとは
Objectives and Key Resultsの略です。
大きな目標(Objective)と
その達成を測る主要な成果指標(Key Results)を
セットで設定する仕組みです。
大企業や成長企業で使われることも多いですが
その本来の使い方には
重要な前提があります。
OKRは
挑戦のための目標設定ツールです。
100%達成できる目標よりも
60〜70%程度の達成でも
十分に挑戦したと言えるような
高い目標を置くことがあります。
つまり
達成できなくて当然の
高い目標を設定することが前提です。
達成率を処遇に直結させると、何が起きるか
OKRの達成率が
給与や賞与に影響する仕組みになっていると
社員の行動が変わります。
高い目標を立てると
達成できない可能性が高くなる。
達成できないと
評価が下がる。
評価が下がると
給与に影響する。
この構造の中では
社員が安全な目標を立てるのは
合理的な行動です。
挑戦意欲が低いのではなく
挑戦すると損をする仕組みになっている
かもしれません。
さらに
OKRは途中で目標を変えることを
前提にしています。
状況が変わったら
目標も柔軟に変えてよい。
でも
達成率が処遇に直接つながっていると
途中で目標を変えることが
「言い訳」「逃げ」に見えてしまいます。
社員は目標を変えられなくなり
OKRの本来の機能が失われます。
OKRと評価制度は、別の目的を持っています
OKRと評価制度は
そもそも目的が違います。
OKRは
挑戦・学習・適応のためのツールです。
高い目標を掲げて
そこに向かって動く中で
組織が成長することを目的にしています。
評価制度は
貢献を公正に可視化して
処遇に反映するためのツールです。
社員の行動・成果・成長を
会社として評価し
給与や役割に接続することを目的にしています。
この二つを直接つなげると
どちらも中途半端になります。
OKRは挑戦の場でなくなり
高い目標に挑戦した人ほど評価が下がり
安全な目標を立てた人ほど評価されるように見えると
評価制度そのものへの納得感も下がっていきます。
では、どうつなげるか
OKRと評価制度を
直接連動させないとしたら
「挑戦して身についたことは
評価に反映されないのか」
という疑問が出ます。
現実的な接続の方法は
達成率を処遇に直接つなげないことです。
OKRで挑戦した結果
身についた能力や行動を
評価制度の「成長・行動軸」で
間接的に評価する。
OKRの達成率で評価するのではなく
OKRに取り組む中で
どんな行動をとったか
どんな力がついたかを評価する。
この接続の仕方なら
挑戦しながら評価にもつながります。
社員が安全な目標しか立てないとき
挑戦意欲を問う前に
目標設定と処遇が
どうつながっているかを
確認してみてください。
OKRの達成率が処遇に
直接つながっていると
挑戦は構造的に減っていきます。
グロウスリーでは
目標設定と評価制度の設計を
現場の状況に合わせて一緒に整理しています。
制度や研修の話としてまとまっていなくても
今の会社で気になっていることを
そのまま話すところから始められます。














