どこまで賃上げできるのか、感覚だけで決めていませんか

経営者の方から
こういう声を聞くことがあります。

「給与を上げたいんですが
どこまで上げられるのかが
正直よくわからなくて。
感覚で決めているところがあって」

給与を上げたい。

でも
上げすぎると会社が苦しくなる。

上げなさすぎると
社員のモチベーションが下がる。

「このくらいでいいだろう」
「業界の相場に合わせよう」

根拠があいまいなまま
毎年なんとなく決まっていく。

こういうとき
こう考えるのではないでしょうか。

「賃上げは経営判断だから
経営者の感覚でいい」
「相場を見ていれば問題ない」

ただ
感覚と相場だけで決め続けると
見えなくなるものがあります。

賃上げの根拠は、どこにあるのか

給与をどこまで上げられるかは
会社が生み出している粗利益から
考えることができます。

粗利益の中から
人件費にどれだけ回しているか。

人件費以外の固定費や
会社に残す利益とのバランスはどうか。

この関係から
どこまで賃上げできるかを
考えることができます。

ここで使いたいのが
労働分配率という考え方です。

労働分配率は
会社が生み出した付加価値や粗利益に対して
人件費がどれくらいの割合かを見る考え方です。

中小企業の実務では
まずは粗利益に対する人件費の割合として
見るとわかりやすいです。

計算式は
人件費 ÷ 粗利益 × 100(%)です。

たとえば
粗利益が1,000万円で
人件費が600万円なら
労働分配率は60%になります。

業種によって目安は異なりますが
労働分配率が高すぎると
会社に利益が残りにくくなり

低すぎると
社員への分配が少ない状態に
なりやすくなります。

感覚で決めるのではなく
この数字を見ながら
「うちは今どこにいるか」を
確認することが出発点になります。

「上げたい」と「上げられる」の間にあるもの

賃上げを考えるとき
「上げたい」という思いは大切です。

でも
「上げたい」と「上げられる」の間には
原資があるかどうかという現実があります。

原資がない状態で給与を上げると
会社の体力を削ることになります。

原資を増やしながら給与を上げると
会社と社員が一緒に成長する流れになります。

ここで大切なのは
労働分配率を下げることだけが
目的ではないということです。

粗利益が増えていけば
同じ労働分配率でも
社員一人ひとりの給与水準を
上げることができます。

つまり
賃上げを無理に抑える話ではなく
より高い賃金を払えるだけの
粗利益をどう生み出すかを
考える話です。

粗利益を増やす。
人時生産性を上げる。
粗利益を生み出せる人を育てる。

この流れが回ると
賃上げの根拠が生まれます。

賃上げは、会社の意思表示です

賃上げには
もう一つの意味があります。

会社が何に報いるのか。

どんな貢献を
どう評価するのか。

「みんな頑張っているから上げる」
という考え方も大切です。

ただ、それだけでは
会社がどんな貢献に報いたいのかが
伝わりにくいことがあります。

「この仕事・この貢献に報いる」という賃上げは
会社が何を大切にしているかを
社員に伝えます。

賃上げの金額だけでなく
何に対して上げるのかを
言葉にすることで
評価の納得感が変わります。

総務省の消費者物価指数で見ても
2021年から2026年にかけて
物価はおよそ13%上昇しています。

賃金を据え置くことは
実質的に賃下げになります。

「上げるかどうか」ではなく
「どう上げるか」を考える段階に
来ているかもしれません。

給与の決め方を
一度振り返ってみてください。

「どこまで上げられるか」の根拠が
数字から見えていますか。

「何に対して上げるのか」が
言葉になっていますか。

グロウスリーでは
組織の状況と経営数値を合わせて見ながら
何から整えるかを一緒に考えています。

制度や研修の話としてまとまっていなくても
今の会社で気になっていることを
そのまま話すところから始められます。

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