
「値上げしたいんですけど
お客様が離れそうで
なかなか言えないんです」
材料費も上がっている。
人件費も上がっている。
今の価格のままでは
利益が残りにくいことも
わかっている。
それでも
「高いなら
他に頼みます」
と言われるのが怖くて
価格をなかなか見直せない。
こういうとき
値上げをどう伝えるか。
どんな理由なら
納得してもらえるか。
そこを考えたくなります。
でも
価格を上げても
選んでもらえるかどうかは
価格を伝える
その日の説明だけで
決まるものではありません。
値上げの前に、何を積み上げてきたか
たとえば
頼んだ仕事を
いつも安定して仕上げてくれる。
困ったときに
すぐ相談できる。
言われたことだけでなく
「ここも
気をつけた方がいいですよ」
と先回りして
教えてくれる。
担当者が変わっても
対応の質が
大きく変わらない。
そうした経験が
積み重なっていると
お客様にとって
その会社を選ぶ理由は
価格だけでは
なくなっていきます。
価格を上げても
選ばれる会社が整えているのは
値上げの説明だけではありません。
普段の仕事の中で
「この会社に頼む理由」が
お客様の中に
積み上がっていく状態です。
お客様は、なぜ自社を選んでいるのか
「うちの強みは
○○です」
社内で
そう考えることも大切です。
でも
本当に知りたいのは
お客様が
何を理由に
自社を選んでいるのかです。
自分たちは
「対応が早いから
選ばれている」
と思っていても
お客様にとっては
「こちらの事情を
わかってくれているから
話が早い」
ことの方が
大きな理由かもしれません。
会社にとっては
「普通にやっていること」
でも
お客様から見ると
「だからここに頼んでいる」
ということがあります。
これまでの
お客様とのやり取りを
少し思い返してみる。
何に助かったと
言われたことがあるか。
どんなときに
また声をかけてもらったか。
そんなところから
自分たちが思っている強みと
お客様が感じている価値を
重ねて見てみることができます。
お客様が買っているのは、商品や作業だけではない
同じ商品。
同じようなサービス。
一見すると
違いがないように
思えることがあります。
でも、お客様が
受け取っているものは
商品や作業そのものだけとは
限りません。
たとえば
頼んだあとに
細かく確認しなくても
安心して任せられる。
問題が起きたときに
すぐ動いてもらえる。
自社の事情を
わかったうえで
提案してもらえる。
そうしたことも
お客様が感じている
価値の一部です。
逆に
何を頼んでも
他社と同じ。
違いが
価格しかわからない。
そんな状態では
お客様も
価格で比べざるを
得なくなります。
選ばれる理由を、言葉にしてみる
「うちの仕事は
ちゃんとしている」
そう思っていても
それだけでは
なぜ選ばれているのかは
まだ少し曖昧です。
考えてみたいのは
お客様が
何に助かっているのか。
何に安心しているのか。
なぜまた
頼んでくれているのか。
ということです。
たとえば
「対応が早い」ではなく
急な依頼でも
止まっていた仕事を
早く再開できる。
「品質が高い」ではなく
やり直しが少なく
お客様の確認の手間が減る。
そんなふうに
自分たちの仕事が
お客様に何をもたらしているのか。
そこまで言葉にできると
価格以外に
選ばれている理由が
少し見えやすくなります。
気づいた価値を、偶然のままにしない
もう一つ大切なのは
選ばれている理由に
気づいて終わらないことです。
もし
「相談したときの対応が早い」
ことが選ばれる理由なら
それが
一人の担当者だけの頑張りで
成り立っていないか。
「細かく言わなくても
わかってくれる」
ことが理由なら
その理解や判断が
社内で共有されているか。
せっかく選ばれている理由があっても
特定の人にしか
できないのであれば
担当者が変わったときに
失われるかもしれません。
だから
選ばれている理由に気づく。
言葉にする。
意識して磨く。
そして
できるだけ
誰が担当しても届けられるようにする。
そこまで整ってくると
「ここに頼む理由」は
偶然生まれるものではなく
会社の中に
少しずつ積み上がっていきます。
価格は、これまでつくってきた価値の結果でもある
もちろん
価値があれば
いくら値上げしてもよい
という話ではありません。
お客様の状況もあります。
競合との関係もあります。
価格を変えることで
取引が難しくなることもあります。
それでも
価格だけで
比べられにくい会社になることは
賃上げ原資を
生み続けていくうえで
大切な視点の一つです。
価格を上げるときだけ
価値を説明するのではなく
普段の仕事の中で
お客様が
「ここに頼む理由」を
積み上げているか。
その理由を
自分たち自身が
捉えられているか。
そして
わかったものを
意識して磨き
会社として
届けられるようにしているか。
自社は、価格以外に
何を理由に
選ばれているでしょうか。















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