今日の数字に追われると、なぜ未来の準備が後回しになるのか

経営者の方から
こういう声を聞くことがあります。

「短期の数字と長期の育成が
いつもぶつかるんです。
理屈ではどちらも大事とわかっているんですが
実際の場面では決めきれなくて」

今期の数字を達成したい。

育成も進めたい。

でも
期末が近づくと
数字が先になる。

育成を後回しにした。

来期も同じことが起きる。

業績と育成は
本来は別々の話ではありません。

人が育つことで
お客様に届けられる価値が高まり
その価値が業績につながっていく。

その意味では
業績と育成は
同じ方向を向いています。

でも
実際の場面では
二つがぶつかります。

今日の会議で
「育成のための時間をとるか
今月の案件を優先するか」
という判断が迫られます。

そのとき
何を根拠に決めればいいのか。

こういうとき
こう考えるのではないでしょうか。

「状況によって判断するしかない」
「どちらも大事なので、できる限りやる」

曖昧なまま
その場の判断が続きます。

ただ
「状況次第」のままにしておくと
見えなくなるものがあります。

ぶつかること自体は、解消できない

短期の数字と長期の育成がぶつかるとき
最初に確認したいのはここです。

このぶつかりは
解消できるものではありません。

短期と長期は
見ている時間軸が違うため
どうしてもぶつかりやすくなります。

「どちらかを解決すれば消える問題」
として扱うと
毎回どちらかを犠牲にする判断になります。

大事なのは
解消しようとするのではなく
ぶつかりをマネジメントすることです。

ぶつかりが見えている状態で
どちらをどの場面で優先するかを
意識的に判断できるようにする。

それが出発点です。

まず、ぶつかりを見えるようにする

多くの会社では
短期と長期のぶつかりは
暗黙のまま処理されています。

「忙しいから育成は後で」
「今月は数字が厳しいから」

これは判断ではなく
流れに任せた結果です。

暗黙のまま処理されると
現場は常に短期を選びます。

目の前の仕事は見えやすく
緊急度が高いからです。

長期の育成は
すぐには困らないため
後ろに回り続けます。

ぶつかりをマネジメントするためには
まずぶつかりを
「見えるもの」にする必要があります。

今、短期と長期のどちらを優先しているか。

それは意識的な判断か
流れに任せた結果か。

この問いを定期的に持つことが
ぶつかりを扱う出発点になります。

優先順位の判断基準を、あらかじめ言葉にしておく

ぶつかりが見えるようになったとき
次に必要なのは
判断基準を言葉にしておくことです。

「状況次第」のままでは
感情や目の前の圧力で
決まりやすくなります。

たとえば

今月だけは
既存案件の納期を優先する。

ただし
翌月の第1週には
振り返りと育成の時間を必ず取る。

繁忙期には同行やOJTを中心にし
落ち着いた時期には
役割を渡す時間を確保する。

完璧な基準でなくていいです。

「流れで決まる」から
「基準を持って決める」に変えることが
ぶつかりをマネジメントすることです。

ぶつかりが激しい会社は、成長しようとしている

ここで
一つの視点を加えたいです。

短期と長期のぶつかりが
激しく感じられる会社は
組織が成長しようとしているサインかもしれません。

ぶつかりが見えていない会社では
どちらかが後回しになっていることがあります。

育成をあきらめて
今期の数字だけを追っている。

または
数字の責任を曖昧にして
育成の話だけをしている。

ぶつかりは
なくせばよい問題ではなく
扱い続ける必要のある緊張関係です。

ぶつかりを認めながら
どちらも扱う基準をつくっていく。

その営みが
会社を長く続けさせる力になります。

短期と長期がぶつかる場面を
一度振り返ってみてください。

その判断は
基準から来ていますか。

それとも
流れから来ていますか。

グロウスリーでは
短期の数字と長期の育成がぶつかる場面を整理しながら
経営目標、管理職の役割
現場での判断基準を
一緒に見直しています。

制度や研修の話としてまとまっていなくても
今の会社で気になっていることを
そのまま話すところから始められます。

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