
経営者の方から
こういう声を聞くことがあります。
「結局、仕事を任せられるのは
あの人だけなんです。
他の人には頼めなくて」
急ぎの仕事が来る。
「あの人に頼もう」となる。
また次の急ぎが来る。
「あの人に頼もう」となる。
気づけば
一人に仕事が集中している。
他の人は
大事な仕事を任されないまま
時間が過ぎていく。
こういうとき
多くの場合こう考えてしまうのではないでしょうか。
「できる人が優秀なのだから仕方ない」
「他の人の意欲や能力が低い」
できる人に頼ることを
当然のこととして受け入れるか
他の人の姿勢を問題とします。
ただ
そこで止まると
見えなくなることがあります。
できる人に集まるほど、育つ機会が偏っていく
仕事ができる人に仕事が集まることは
自然な流れです。
でも
その状態が続くと
もう一つのことが起きています。
仕事を任される人は
その仕事を通じて
さらに経験を積みます。
判断する機会が増える。
難しい場面を通過する。
失敗して学ぶ機会がある。
一方
仕事が集まらない人は
その機会がないまま時間が過ぎます。
成長するための経験が
一部の人に偏っていく。
これは
意欲や能力の差が固定されているのではなく
経験の機会の差が
その差を広げ続けている状態です。
できる人に仕事が集まる状態は
その人を支えているようで
実はその人の負荷も高めていきます。
「任せられるのがあの人だけ」という状況は
できる人がいるという話ではなく
育つ機会が設計されていない
という構造の話かもしれません。
育成機会は、配分によって決まる
誰が成長するかは
誰に仕事が渡るかで
かなり決まります。
難しい仕事
判断が必要な仕事
失敗しても取り返せる仕事。
これらがいつも同じ人に渡っていると
それ以外の人が
成長するための土台が
積み上がりにくくなります。
「育成している」つもりでも
仕事の配分が変わっていないと
育つ人は固定されたままになります。
育成の機会は
研修や1on1だけにあるわけではありません。
日常の仕事が誰に渡るか。
その配分そのものが
育成の設計です。
任せても戻れる余白が、育成機会をつくる
もう一つ、見落とされやすいことがあります。
できる人に仕事が集中する理由の一つに
「失敗できない」
という前提があります。
急ぎだから
慣れている人に頼む。
品質が必要だから
確実にできる人に任せる。
これは現場の判断として自然です。
でも
この判断が続くと
他の人が経験する機会は
少しずつ減っていきます。
大事なのは
いきなり大きな仕事を任せることではありません。
失敗しても戻れる範囲の仕事。
時間に少し余裕のある仕事。
途中で確認しながら進められる仕事。
そうした仕事を
意図的に配分していくことが
育つ人を増やすための設計になります。
できる人に仕事が集まるのは
今の判断としては合理的です。
でも
その状態が続くほど
育つ機会を持てる人が
固定されていきます。
誰に仕事が渡っているか。
任せても戻れる余白が
設計されているか。
そこから見直すことで
育つ機会を持てる人は
少しずつ増えていきます。
いま思い浮かべている職場を
一度振り返ってみてください。
大事な仕事や
判断が必要な仕事が
いつも同じ人に渡っていませんか。
グロウスリーでは
育成や任せ方、1on1、仕事の渡し方を
現場の状況に合わせて一緒に整理しています。
制度や研修の話としてまとまっていなくても
今の現場で気になっていることを
そのまま話すところから始められます。














