意見を求めても、いつもの人しか話さない

経営者の方から、
こういう声を聞くことがあります。

「意見を聞いても、
いつも同じ人しか発言しないんです。
他の人は黙ったままで」

会議の場で、
「何かご意見はありますか」
と聞く。

沈黙が続く。

しばらくすると、
いつも発言する人が話し始める。

気づけば毎回、
同じ顔ぶれで会議が進んでいる。

こういうとき、
多くの場合こう見られます。

「社員の積極性が足りない」
「心理的安全性が低いのかもしれない」

発言しない人の姿勢や、
職場の空気に
原因を探し始めます。

ただ、
発言を求める前に、
確認したいことがあります。

「意見を出してください」の前に、何が渡されていたか

会議で意見が出ない理由は、
発言しにくい空気だけに
あるとは限りません。

その前に、
意見を出すための準備が
できていないことがあります。

「何かご意見はありますか」
と聞かれても、
その場で初めてテーマを知った状態では、
考えがまとまらない人の方が多いです。

意見を出すためには、
事前に考える時間が必要です。

何について考えてくるかが、
あらかじめ伝わっている必要があります。

「今日の会議では、
〇〇について各自の考えを聞かせてください」

この一言が、
会議の前に届いていたかどうかで、
発言の出やすさはかなり変わります。

問いが大きすぎると、答えが出てこない

もう一つ、よく起きることがあります。

問いの粒度が大きすぎるケースです。

「来期の方針について、
何かご意見はありますか」

この問いは、
範囲が広すぎます。

何を考えればよいかが絞られていないと、
「何から話せばいいのか」
がわからず、
発言のハードルが上がります。

問いを絞ると、
意見は出やすくなります。

「来期に向けて、
自分のチームで
一番変えたいことは何ですか」

これなら、
自分の担当範囲から考えられます。

問いの粒度を変えるだけで、
発言の入口は変わります。

誰から、どう出すかが決まっていない

「何かご意見はありますか」は、
誰が答えてもよい問いです。

誰が答えてもよいということは、
誰かが答えるのを待つ状態になります。

発言しやすい人が先に話し、
残りの人はそれに続く。

こうして毎回、
同じ人が話す会議になっていきます。

たとえば、
最初から口頭で意見を求めるのではなく、
まず一人ずつ考える時間を取る。

そのうえで、
短く書いてから出してもらう。

同じ問いに対して、
全員が自分のペースで考えを書くと、
声の大きさや発言の速さに関係なく、
一人ひとりの言葉が
場に出やすくなります。

大事なのは、
書くこと自体ではありません。

話す前に考える時間を置き、
全員の言葉が場に出る順番をつくることです。

発言が少ないのは、
積極性の問題ではないかもしれません。

考えてくること、
問いの粒度、
発言の出し方。

この3つが設計されていると、
「いつもの人しか話さない」
会議は変わりやすくなります。

次の会議を思い浮かべてみてください。

参加者は、
何について考えてくることを
求められていますか。

グロウスリーでは、
会議・仕事の進め方・育成のどこに
動きにくさが生まれているかを、
現場の場面から一緒に見立てています。

うまく言葉になっていなくても、
最近気になっている場面から
始めることができます。

コメントは利用できません。